講義

技編

護身

NINJA JAPAN監修部

第3科目 身体能力を把握する。

(1)サブロクの制空圏

サブロクとは3尺×6尺(910cm×182cm)のことで、約畳1帖ほどのサイズです。ちなみに畳2畳が一坪です。
このサイズを覚えてきましょう。
なぜかというと、このサイズは日本建築では畳に限らず、玄関のドアも襖も、ガラス戸もサブロクが基準だからです。
つまりガラス戸が4枚並んでいたら、そこの長さは3、64mということになります。
周囲の距離感を常に頭に入れておくのはNINJAの常識ですが、その際、この目安はとても役に立ちます。

さてこのサブロク2枚分(182cm×182cm)の立方体に大概の日本人は収まってしまいます。
これが自分の制空圏です。
心ならずも理不尽な敵と相対した場合、敵の攻撃がこの範囲外であれば、自分に当たることはありません。
ほっておいて、逃げるが勝ちです。

この範囲を超えて中に入ってきた場合、防御、反撃をしなければなりません。
この制空圏をいつも意識していると、武道でいう「間合い」の基礎感覚が身についてきます。
実際に敵と相対する場合は敵の体格やスピード、武器によって、「間合い」が千変万化するので、稽古を積んで身につけましょう。

サブロク
(2)腕、肘、肩の制空圏

腕は防御にも反撃にも使用する万能の部位ですが、部位によって効果的使用範囲があります。当たり前のことなのですが興奮すると意外に忘れてしまいがちです。
簡単には下図のようになります。
これに身体の反転や足捌きが加わります。

足さばき
(3)足の運び方

防御法は難しいのですが、何よりも足さばきを第一に学びます。
人間は普段、普通に歩いていますし、意識すれば容易に身につけることができるからです。
基本動作は前後左右に移動する。斜めに移動する。90度に転回する。180度に転回するなどです。この動きをすばやく、無駄なく行います。
慣れてくれば、一足で「攻」「守」のスタンスを入れ替えることができます。
社交ダンスのターンを想像してもらえれば、理解しやすいと思います。

例えば、路上で、前方から来る人をスッと斜め前方に足を進めて避けてみる、また路地を曲がる時、一足で90度にターンできるように練習してみてください。

足さばき